December 01, 2011

和のおもてなしをビジネスに活かす

赤坂のプラスショールームで「和の作法」の勉強会に参加させていただきました。ホスピタリティ・プロデューサーの大内さんが企画しているもので、毎回すごくいい内容の講座が実施されています。今月の先生は、ジャパンビューティーマナーの林小春先生です。

「公私による作法の使い分け」というテーマで、公私両面での「格」の合わせ方を学びました。日本人なのに、案外知らないことが多いです。日本人が真の国際人になるためには、もっと日本文化を勉強しないといけないですね。猛反省です。

今回教えていただいたことで、大きな気づきだったのが、「カタチ」についてのこと。
「カタ」を知っていることは、確かに重要ではあるが、それに拘って、他人に押し付けるようなことは一番してはならないこと。
「カタ」に「チ」(=血=こころ=おもあい=おもいやりあい)を加えることによって、美しい「カタチ」を目指すことが、日本文化の素晴らしさなのですね。常に型通りではないところに「粋」があり、それがジャパニーズ・ホスピタリティとも言うべきものなのかもしれません。

今流に言うと、「ルールやマナーがすべてではなく、そこに”こころ”が通っているからこそ、紳士淑女の資格がある」といったところでしょうか。

何かというと「権利」を主張しあうことに慣れてしまった現代人にとって、見なおすべき価値観であるように感じました。

| | TrackBack (0)

April 20, 2011

変わる世界4

■日本がどう変わるか、世界が見ている

今回の震災に際して、海外からの支援、熱い祈り・メッセージをいただき、本当に感謝しております。
この震災を「天罰だ」と言ってバッシングを浴びた方もいらっしゃるようですが、おそらく文字通りの「罰」ということではなく、「行き過ぎた人類の行いに対する警鐘」ということを仰りたかったのではないでしょうか?
直接、被害に遭われた東北の方々が、重い十字架を背負っていただいた。そして、我々も経済的な影響などで、相当重い十字架を背負うことになりそうです。

でも、こういうことがあると、本当に我々にとって必要なものは何なのかを考えさせられる機会にもなっています。
自粛するのではなく、これからの日本を盛り立ててゆこうというマインドは大切でしょう。ただ、ただ単に元に戻そうというのではなく、本質を見直した上で、何を盛り立ててゆくかを考えたいものです。

●花見で、花をみながら春の到来に感謝する。これは粋で情緒あることなのですが、大酒を飲んで騒ぐことは本筋であったか?
●過剰な照明や空調がないことで、案外落ち着いて快適だったり。。
●エスカレータが止まっていることで、健康的に歩いて昇り降りすることができたりもします。
●選挙カーで騒音と燃料をまき散らしながら自分の名前を連呼するような人に、政治を任せてよいのか?

いままで、当たり前すぎて見直すことができなかったことを見直す機会でもあるように思います。

これから、日本がどのように変わってゆくか、世界の皆様が注目していただいていると思います。
今こそ、日本人の持つ誇り高き文化を、世界に発信してゆきたいものです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

変わる世界3

■サービスとホスピタリティのちがい

このテーマは、私自身も長く扱っているテーマです。
私は、超簡単にいうと
・サービスとは、提供者がお客様に提供を約束したもの
・ホスピタリティとは、相互の心づかいにより紡ぎだすもの
といったような解釈をしています。

高野さんのお話でも、同じようなこともでましたが、ポイントとしては
・サービスは、提供者が内容を決めている約束
・ホスピタリティは、提供する側だけでは決められないもの
ということでした。
サービスは、お客様をお迎えするプロとして、最低限のレベルを約束するための基礎体力であり、ある程度のマニュアル化ができるものです。
ホスピタリティは、基礎体力に加え、相手の「心のかたち」をとらえて適切な行動をとることができる力が必要になってきます。

お客様が本当に求めているのは、もちろんものの原材料や製品ではなく、それらからできる商品やサービスです。
本当にそれだけでしょうか?
実は、多くは、商品やサービスの先にある夢や物語を求めているのではないでしょうか?
ホスピタリティを紡ぎだすには、このような「見えないものを見る力=感性のエンジン」を育てることが大切であるようです。

■本当の「もてなし」ができる人材の育成

「もてなし」は、「以て成す」と書いているように、「何を以て何を成すのか」を指しているそうです。
まず自分が何を持っているのかを考え、棚卸をして自分を知っていること、そしてどこに向かおうとしているのか、その夢や物語を持っておきたいものです。

仕事というのは、日々の業務に翻弄されて、上記の「見えないものを見る力=感性のエンジン」を小さくしてしまうようなこともあります。入社したばかりのときには夢にあふれていたのに、いつの間にか、仕事を作業と見てしまうようになってしまうということは、誰にでも思い当たることではないでしょうか?

「見えないものを見る力=感性のエンジン」を委縮させてしまわないためには、日々の活動の中で、「何を以て何を成すのか」を想起するような「アファーメーション」の仕組みを取り入れておきたいものです。
それを、大きく成長させるためには、時には考える(立ち止まって検証する)時間が必要でもあります。特にリーダクラスに関しては、「リーダー研修」などで感性をブラッシュアップしておくことも大切ではないかとのことで、私もこれには共感です。

「自分が幸せになる権利を主張する」ことに力をそそぐか、
「人を幸せにする仕事をする」ことに心血をそそぐか?
どちらの方が、「幸せな命の使い方」になるのかを考え、後者を選ぶことで、その両方をかなえるといった生き方をしてみたいものです。

つづく

| | Comments (0) | TrackBack (0)

変わる世界2

■今の事業環境はサーフィンに似ている

サーフィンというスポーツは、海の自然環境の中でおこなうものですが、特徴をいうと「足もとが激しく変動する」スポーツです。ビジネスの基本は、まず足元を固めることですが、足元自体が激しく動いているので、一瞬たりとも同じ場所に立つことが難しい。大きな波が次々に訪れる今の事業環境に何となく似ているようでもあります。

今は、日本全体がこのような状態なので、足元が安定した時代と同じことをしていても上手くゆくはずもないとのことでした。全体に「ビジネスがない」状況の中で、プッシュ型の営業を行っても、厳しい結果が返ってくるだけ。
今は、価値ある商品・サービスを作って、発信することの方が大切でしょう。

■お客様の求める価値とは

リッツカールトンでは、「ラグジュアリー」なサービスを提供することに力をいれていたそうです。
「ラグジュアリー」というと、「贅沢」をイメージしてしまうかもしれませんが、本当のラグジュアリーとは、例えば富士山の清掃に行くツアーだとか、「社会貢献」ができるプログラムが人気があるそうです。

今でいうと、震災の復興支援もそうでしょう。
行きたくても、経済的もしくは時間的な余裕がなければ、なかなか現地に赴くことができない。
だから、今できる人に願いを預けて、今自分ができることを探して実行することが、本当の意味でのラグジュアリーなのだと感じています。

■ご馳走さまの意味
ある宿屋の主人が、お客様のために裏山でキノコを採ってきて提供した。
それに対して、あるお客様は「タダで手に入るものを出すなんて、失礼な!」と怒ったそうでう。
でも、本当にそうでしょうか?
食事のあとに、われわれ日本人は「ご馳走さま」と言います。
この言葉をよく見ると「馳せ走る」と書いています。自分のために「馳せ走っていただいたことに対する感謝」をあらわす意味のようです。
足もとが激しく動く、世の中で、このような感性(私は「感謝神経」と呼んでいますが。。)を持つお客様と出会えるような情報発信、仕組みづくりが必要な気がします。

つづく

| | Comments (0) | TrackBack (0)

April 12, 2011

変わる世界1

先日、人とホスピタリティ研究所の高野登さんのお話を拝聴しました。
お話の内容に沿って、自分なりの解釈とまとめを備忘録として以下に記してみます。

「売るのではなく、買っていただく」というようなテーマだったかと思いますが、東日本大震災があったこともあり、さらに根源的なお話が中心になりました。
直接的な被害から、原発、停電、自粛、といった二次被害も始まり、これからのビジネスは相当な獣道であることは想像されます。こういうときに「頑張って営業」をしても、皆がお互いに厳しい折、そこにビジネスがあるわけではありません。
まさしく、今までのようなやり方は通用しない局面が来るはずです。

でも、そもそも考えてみると今までの経済発展が本当に良かったのか?ということまで考えてみる機会かもしれません。
1990年代にバブルが崩壊した後、バブル以前に戻すような動きをしてきたけれど、2008年のリーマンショックで砕け散った。それを、また同じようなことをしようとしていたのではないか?という、自戒の念を、我々人類が持たなければならないのかもしれません。今までの状態に戻すのではなく、もっと良い世の中を創るため、まず日本が立ち上がるようにしたいものです。

つづく・・

| | Comments (0) | TrackBack (0)

March 23, 2009

第1回経営倫理シンポジウム

今日は、早稲田大学で開かれた第1回経営倫理シンポジウムに行ってきました。

テーマは、「企業不祥事は何故多発するのか?」と言う問いで、まさしく私たちがリスクマネジメント分野で追いかけている課題です。
非常に発見の多い会合でしたので、そのエキスを備忘録として以下にご紹介します。

石田梅岩の石門心学
ユニチャーム監査役の平田先生より、石田梅岩の思想についてのお話がありました。
改めてお話を聴くと、資本主義という考え方が固まる以前に、これだけ進んだ考え方があったのか!と関心させられます。

御法を知り⇒コンプライアンス
我が身を敬む⇒自己中心の戒め(ホスピタリティ)
子孫の絶ゆる理⇒サステナビリティ

と、言葉を置き換えると、現代企業に求められていることが、ドンピシャで書かれています。

また、「右手にソロバン左手に論語」と言われる様に、経営というものは本来「営利」と「倫理」がバランスしていないといけない。それが、ここ最近「両手にそろばん」となってしまったところに、資本主義の歪みが生じているのではないか!この理論は、誠に腑に落ちるものがありました。
そして、双方を追求すべき「学問」「欲望」「合理化」といった概念も、「営利」だけを対象に進化してしまった。これからは、それぞれに「倫理」と言うモノサシについても考え直すときが来ているのだと考えられます。

日本の美しい経営を世界に
前出の、コンプライアンス・ホスピタリティ・サステナビリティという言葉は、いずれも欧米の言葉で、これらの概念は、西洋で発達し日本が輸入している概念と見られがちですが、日本人にはもともとこれらの考え方が深く根付いています。
欧米の思想では、神>人間>自然と言う階層的な秩序が存在し、「人が自然を開拓し、文明を築く」という価値観がベースにあります。対して、日本は「八百万の神」といわれるように、自然や優れたものに対して神を見るといった、「自然と人間の共生」の思想がベースとなっており、このような価値観が、これからの世界に求められていることだとも考えられます。
私たちは日本人として、こうした「日本の美しい経営」を日本発CSRとして世界に発信してゆきたいものです。

| | Comments (11) | TrackBack (0)

February 08, 2009

中堅・中小企業にとっての社会的責任(CSR)

先日SR(社会的責任)事例東京シンポジウムという会合に出席させていただきました。

2010年秋に発行が予定されている社会的責任(SR)に関する国際規格ISO26000との関連で、中小企業がどのようにしてCSRに取り組むことが出来るのか、実践企業の発表や意見交換がありました。

環境問題に取り組むことに力をいれて事業を再構築した企業が、顧客や従業員との信頼関係が厚くなることで事業も好転している事例。
障害者雇用の取り組みにより、従業員の意識が変化し、財務的な面でも効果をあげている事例。
育児休暇取得奨励や職場環境改善活動により、地域の信頼を受けて求人などでも効果をあげている事例。
こうした事例を、生で聴くことが出来ました。

■CSRは特別なことではない
これらの事例を発表された方々のお話を、よく聴いてみると、CSRとか社会貢献といったことを意識して行っているわけではなく、これらが「あらりまえのこと」として自然に文化として浸透してゆくことを目指しています。
もちろん、これらが会社の発展にもつながるという「経済的動機」も伴ってのことです。
CSRの担当者を置くなどの体力のある大企業とはことなり、中堅中小企業では、CSRは特別なものではなく、本業の中で自然に実現されてゆくことが大切なのだと、改めて感じたしだいです。
ですから、○○大賞とか○○ランキング1位・・といった「褒章」や、○○認定企業とか○○規格取得といった「権威付け」をするような性格のものではないということです。
実際に、ISO26000は認証規格としてではなく、ガイダンスとしての発行の方向で進められています。
私たちがテーマにしている「ホスピタリティ・マネジメント(人を大切にする経営)」も、同じようなことが言えます。CSRとホスピタリティ・マネジメントは、大変似た概念であることも再認識しました。

■「信用」の形が変わってきている
経済産業省の担当の方の意見で、「SRとは信用だ」ということを仰っていました。
私も、この意見には賛成です。
これまでは「信用調査」というと、「安全性・収益性・成長性」という経済的尺度の診断とされてきました。でも、これからは、その企業が「どのような信念に基づき何を目指しているか」ということを重視しなくてはなりません。企業調査の実務においても、このような視点を取り入れて実施しないことには、依頼者の本当のニーズにはこたえられないということは、私どもも日々肌で感じています。

■日本発のCSR・ホスピタリティ
欧米の価値観と、日本人の価値観という話題もありました。
実際は、個々の企業の個性はさまざまでステレオタイプで語るのは、乱暴かもしれませんが、欧米人は、「お金を儲けた人(成功した人)は弱者を助ける」と言った行動が賞賛され美しいとされます。
対して日本人は、自分だけがお金を儲ける(成功する)ことは「はしたない」とされ、そのような人から憐れみを乞うことは恥と感じる。だから、全体が和を持って豊かになることに美を感じるといったことです。
確かに、私自身の思考感覚を考えてみても、このような傾向はあります。CSRにしてもホスピタリティにしても、欧米的な発想を原点としていますが、日本人ならではの和の精神を取り入れることで、日本発信のCSR・ホスピタリティが実現するのではないかと感じています。

■中小中堅企業のCSR
先にも述べたとおり、中堅中小企業は大企業のようにCSRの専任担当者をつけるといった事は難しいと思います。ただ、CSRとは特別なことではないとすると、本業から離れそれの専任者がいるというのも変な話ですね。
そして、企業によって置かれた状況や文化が異なるのですから、必ずこれをやらなければならないと決め付けてしまうのも問題です。企業にとって何を大切にしたいのか?どういうあり方で、どこに向かっているのか?こうしたことをきちっと整理して、重点的な課題を見つけ出すことが大切だと思います。
これは実は、大企業にも同じようなことがいえるのかもしれません。

ただし、「自分たちのやり方」が人様(社会)の感覚とずれていないか?
ということを見直しておくことは重要です。人も組織も「慣れ」が生じると必ず、見えなくなる盲点が存在します。
新入社員の頃には理不尽に感じた職場の慣習。これが、慣れてくると何とも思わなくなり、数年すると強要する側に立っているというようなことがよくあります。大概、社会常識的に見ると、新入社員の時の感覚のほうがまともなこと多いのですが・・。
このような盲点認識し、是正する仕組みを持つことは重要です。ISO26000をはじめとするガイダンスやチェック機構を活用し、定期的に外部の目を入れておくことは大切なことだと思います。

日本発のCSR・ホスピタリティを是非世界に広めて行きたいですね!

| | Comments (127) | TrackBack (1)

November 11, 2007

ホスピタリティ・アセスメントの目的と評価基準

ホスピタリティ・マネジメントの評価検証(ホスピタリティ・アセスメント)について、ご質問がありました。
その回答の概要を、記しておきます。

何のために行うアセスメントなのか?
私が想定するホスピタリティアセスメント(評価検証)の目的は、自社の経営をよくするためのものです。
ザガットサーベイやミシュラン等商業的な評価、若しくはマスコミや行政などが行うの評価とは、根本的に目的を異にするものです。

経営の良し悪しというのは、感じる人や状況によって異なります。
ホスピタリティに関しても、その性質として「感じる人やシチュエーション」によって評価は異なるものです。だから、一定の評価基準をつくって横並びにすること自体が、あまりホスピタリティの考え方にそぐわないのでは?
・・と、ちょっと逆説的とも言える考え方です。
評価基準ありきではなく、相手の心ありき・・。なんて、感じですね!

ホスピタリティ・アセスメントの評価基準は明確に出来ない?
確かに、CS調査、ES調査、組織診断、ご指摘の経営品質賞など定量的な尺度を活用して、強み・弱みのポイントを把握すると言うことは大切なことです。ですから、状況に応じて様々な基準を活用して定量評価してゆく必要もあると思います。
内部統制の仕組みの中では、RCM(リスクコントロールマトリクス)と言うツールを使って、リスクコントロールの優先順や手法を検討することがあります。JISやISOのようにチェック項目とマネジメントサイクルを規定する方法もあります。CSRのISO化も研究されていて、これも活用できる基準のひとつになるのではないかと思っています。

ホスピタリティ・アセスメントでは、目的に応じてこれらの基準を複数活用すればよいのではないかと思います。
ひとつの基準にこだわるのではなく、複数の基準をその企業にあった形で活用してゆくことが大切だと考えていますがいかがでしょうか?

横並びの評価は、競争戦略を考える上で有効な反面、個性や創造性を奪うものともいえる・・。
要するに、基準に縛られたり振り回されるのではなく、上手く使い分けましょうと言った感じです。

| | Comments (90) | TrackBack (0)

November 01, 2007

ホスピタリティ溢れる人の見分け方

昨日は、ホスピタリティ推進協会(JHMA)の勉強会で、ホスピタリティ・アセスメントについてお話をさせていただきました。

欲張って内容を盛り込みすぎたので、時間がなくなってしまい用意していたことの一部しかお話が出来ず、参加者の方には申し訳なかったです。
それと、本当は参加者の皆様からももっともっとご意見を聞きたかったですね。
また、そうしたことを語り合う場にも出てゆきたいと思います。

ホスピタリティある人財の見分け方
昨日のお話の冒頭で、ホスピタリティマネジメントにおけるホスピタリティのある人財とはどういう人だろうかという内容がありました。
これに関しては、諸説いろいろな意見があろうかと思いますが、ホスピタリティマネジメントにおいて大切なのは、その人が「何をしたか」(=行動)ではなく、「何を信条にしているか」、もっと言えば、「相手がどう感じるか」なのですね。
同じ行動や受け答えをしても、人によって、状況によって受け取り方が違う。だから、相手の望むことを察する力(想像力)と、企業のコンセプトにふさわしい「場」の共創に仕向ける力(創造力)が必要だと言う見方があります。
これを創造的想像力などと勝手に名づけ、その力を持っているかどうかを見分ける方法について考えてみました。

創造的想像力の考え方は、オリジナルではありません。どこで聴いたか忘れましたが、以前にそういうお話をされている心理学の先生がいらっしゃったと記憶しています。
その時に聴いた話によると、トラブルが起きたときに、
「何をすべきか」(=What should I do)と考えるか
「何が出来るか」(=What can I do)と考えるかを見ると分かると言っていたと思います。

Shouldで考える人は、マニュアルや経験、権威、過去のケース、上司の意向などに縛られている人で、創造的想像力が発揮できない人。結果、グズグズしてお客様の怒りを買ってしまうような事があります。
Canで考えると、未知のシチュエーションでも冷静に対処出来ることが多いようです。
「自律的社員の育て方」というテーマは人事教育の世界でホットな話題です。そこで、そもそも自立的社員をどう判断するか?と言うところで、私たち調査会社は上記のようなものを分析基準のひとつとして活用しています。

相手の望むことを察し、今自分に何が出来るのかを考えながら、場を支配する・・。
まさしく、心理戦の世界ですが、アセスメントにおいては、その実態を覆面調査やインタビュー調査の中で、さりげなく探ります。あまりストレートに聴いても本音が出てこない。対処法を見るシチュエーションを意図的に作り出したり、雑談のような話の中で聴き出したりすることが大切なのです。

ホスピタリティアセスメントは、PRやランキング、人事考査の目的で行うものではなく、会社を良くする為に行うものです。改良改善目的の情報精査では、全体の傾向を読み取る定量情報よりも、定性情報が非常に重要です。
どうも、ビジネスにおいては「何でも数値化定量化しなければならない」と言う固定観念が蔓延っているようです。しかし、「統計的真実」(定量情報)は戦略の全体像を検討するステージ。質的情報(定性情報)は個別の事象を判断するステージでは、使う情報の質を考えて活用しないと、情報に振り回されてしまいますね。

私共、調査会社としては、このような目利きの出来る調査員をきちんと育てることも大切だと思います。
ホスピタリティ・コーディネーターなどを中心に、いろいろコラボレーションできる方法を検討したいものです。

| | Comments (19) | TrackBack (0)

April 17, 2007

ホスピタリティと調査の関係

ホスピタリティと言う言葉が、最近注目されていますが、これをどのように経営に取り入れるのか?
概念的で形のないものだけに、なかなか具体的にイメージすることは難しいですね。

顧客満足(CS)経営とか従業員満足(ES)というのは、まだサービスマネジメントの範疇で語ることができるのですが、ホスピタリティと言うのは、形にはめて定量化するような性質のものではない。
XIAでも、調査会社として、ホスピタリティ・マネジメント推進の支援に力を入れています。

◇「心」に焦点を当てる!
XIAでは、調査分析おいて特に
・心理学的なアプローチ
・人事リスクマネジメントの視点
を重点的に取り入れています。
調査分析には、様々な「経営管理手法」や「マーケティング理論」、「法的な整合性」等を加味することは当然ですが、「心の世紀」「心理戦の時代」といわれる今日は、「心」に焦点を当てた分析を行うことで、課題がクリア見えてくることが多いのです。

とかく調査は「定量化」「比較化」「点数化」など「指標化」にこだわりがちですが、「心」に焦点を当てた調査で収集するのは「客観的な事実」や「気持ち」と言った「定性情報」が中心になります。
BSC(バランスドスコアカード)など、経営上のあらゆる要素を指標化して管理しようと言う発想もあるように、「標準化・指標化」と言う視点は大切です。しかし、必ずしも個々の指標が上がれば「良い会社」になるわけではないようです。
これらの「指標」の間にある、関係者の「心」の中にこそ、真実の姿が隠されている!のです。

顧客満足度・従業員満足度・第三者評価などと言う評価指標が、最近よく聞かれるようになりました。XIAでもこれらの評価も行っています。確かに、これらの指標は「オペレーショナルレベル」や「サービスレベル」を測るには便利です。しかし、横並びの指標で複雑な「人の心」を表現するのに無理があることは、調査を設計・分析している私達が一番よく分かっています。

「良い会社」であるという「評価」は、関わる人達の心の中にあります。その「心の中にある評価」が「実際の評価」であり、「指標化」された評価と乖離があることが多々あります。幾ら「指標」の平均点が良くても、何らかの事実により、心の中に少しでも嫌な印象や感情が入ったとたん、「実際の評価」は地に落ちます。また、その逆も然りです。
「客観的事実」が及ぼす作用と「心理的な動き」には、必ずしも単純な相関性が見られるモノではなく、状況や各々の個性によって、非常に複雑なロジックが絡み合って出現します。
だから、実務的には、無理に指標化するよりも、「客観的な事実」と「心の状態」を定性情報として活用した方が良い。というのが、今のところの結論です。

◇「良い会社」とは
XIAが考える「良い会社」とは「心のマネジメント」⇒“心を大切にする経営”を実践している会社です。「良い会社」を判断する尺度が、「心」の中にある訳ですから、その企業に関係する人達の「心」を良い状態にできることが、「良い企業」の証。
「お客様」「従業員」「取引先」「経営者」など関係する人々の「心」を大切にし、それらが「共創的相関関係」の上にバランスしていることが、愛される企業になる条件!
経験的に見ると、このような改革に成功した企業は、おのずと
・業績が上がる
・良い商品や人材(人財)が育つ
・不正や不祥事が防止できる
と言った相乗効果が出てくるようです。
これは、まさしく「ホスピタリティ・マネジメント」ですね!
これからも、1社でも多く「良い会社」づくりのお手伝いをすることで、ホスピタリティの輪を広げてゆきたいと思います。

| | Comments (7) | TrackBack (0)