December 10, 2006

人材育成学会

毎年この時季は風邪でダウンしていて、2年連続欠席していた人材育成学会に、今年は無事出席できました。
今年は、CSRがテーマだったのですが、メインのシンポジウムでは、大変たくさんのヒントをいただきました。

理念と行動のギャップ
企業は大抵、立派な経営理念やミッションを掲げています。本来崇高な理念を持っているのに、現場の行動に反映されない。そのギャップは何が原因で生じるのか?それを考えてみることが大切です。

考えられる原因として、以下の4つが挙げられます。
1、トップマネジメントの意識の低さ
2、トップマネジメントのリーダーシップが発揮されていない
3、トップにネガティブ情報が上がらない風土
4、理念を現場に反映させる仕組みがない

1、「意識の欠如」については、そもそも問題外です。
きれいな言葉だけ並べているものの、トップ自身がその言葉を理解していないようなことがありますね。
社長がそんな状態なのに、現場に浸透するわけがありません。
特に中堅・中小企業ではトップの影響は大きいですから、そういう企業は、一時的に調子が良いとしても、先はないと思ったほうが良い。
トップの意識改革が期待できない限り、そういう会社とはあまり付き合わないほうが良い。
特に、私たちの様に、トップの方と直接お仕事をさせていただくような場合は、如実に成果に現れることですから、よくわかります。

2、「リーダーシップ」については、トップ自身の教育が鍵になるようです。
教育研修の内容は、確かに職種や階層によって変わるものです。
しかし、トップと現場が全く違う流れの研修を受けていたのでは、一貫性がないだけでなく、考え方のギャップが広がってしまう可能性もある。人材の育成は、トップ自らが参加し能力開発・マインド開発に取り組む必要があるようです。
ただし、勘違いしてはならないのが「研修と銘打って、大先生の話を聞き、ついでにゴルフをして飯を食う」と言う類の勉強は、”教育”には値しない。この違いを認識しておかなければならないですよ!
教育はTOPから・・。
なかなか、重い言葉です。

3「モニタリング」・・。これは我々の会社の出番です!
私自身、経営者が”裸の王様”と化した企業の堕ち行く姿を何度も目にしています。
人間は、自己保身したい生き物です。ネガティブな情報は報告したくありません。
それは、人間本来の持つ防衛本能に近いとすら思うので、きちんとモニタリングする仕組みを作らないといけないのです。そうすることで、隠すと損する→嘘をつかない風土の醸成が可能になる。
このように考えると、モニタリング制度は決して従業員を監視して締め付けるものではなく、寧ろ健全なコミュニケーション環境を守るための有効な手段。
この部分に関しては、内部統制の整備で注目されている分野であり、当社がお力添えさせていただけるとうれしいのですが、社内にも経営的観点を持ってモニタリングを担当できる人材を育成しておくことも必要です。
外部資源を活用しながらも、内部にもノウハウや人材を蓄積する。そのバランスが大切です。

4、「仕組みづくり」はオペレーションマネジメントや評価の仕組みに直結しています。
経営理念は、経営者が幾多の修羅場体験から生み出してきた”血と汗と涙の結晶”です。また、そうでなければ掲げる意味すらありません。ただ、残念ながら、どんなに思い入れのある理念でも、掲げただけではどんどん形骸化します。
実際の現場で発生する日々の出来事を、理念に照らし合わせて考える機会がないと、いくら理念の研修をしても、朝礼で唱和をしても、現場に生きた形では反映されません。
また、理念に即した行動に対して、適正に評価をする仕組みもなければ、現場の人が意志を持って行動することは困難。
教育とは、教室で教えることだけではなく、日常活用する仕組みを回すことも含まれており、後者のほうがより重要なのかもしれません。

全体最適思考を持つ人材の育成
「人材育成」をテーマにした学会でしたが、一日様々な方の発表を聴き感じたのは、大切なのは「トップの関与」と「現場の関与」。そのどちらかに偏った議論や施策からは、残念ながら得るものは少ない様に思います。
シンポジウムで、コメンテーターの一人が「30歳前後で、企業の経営全体を見渡す仕事を経験している人は、感性が鋭い」と仰っていました。30歳前後というのは社内外の仕組みが理解でき、ビジネスが分かり始める年代。
この世代に、トップから現場まで見渡す仕事を任せる。そうすることで、物事をみる「全体最適思考」を身につけて、周囲に刺激を与える。
若手を活用した組織活性化に関するひとつのヒントですね。

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June 16, 2005

企画書と提案書

先日は、企画提案の師匠である企画パーティ富田先生の出版記念講演がありました。仕事で企画書を書くことも多いのですが、プランナーと呼ばれている人たちの中で、改めて体系だった勉強はした人は少ないかもしれませんね。

企画書と提案書のちがい
「企画書」と言うと少し構えた響きがありますね。プロジェクトの実施計画の手前、「設計図」のようなものと言った所でしょうか?設計図と言うことはやはり、屋台骨がしっかりしていないといけない。
現状分析⇒コンセプト設定⇒ターゲット⇒実施方法⇒コスト⇒効果予測
確かに、このような骨組みがしっかりした企画には説得力がありますね。

一方、それだけキチンとした「企画書」を書くには、準備も手間も掛かります。クライアント様の要望にスピーディに応えるには、かなり無理を強いられることにもなります。
でも、常に完全な企画書が必要と言う訳でもない。必要な要素だけをコンパクトにまとめてシンプルに示す。この方が喜ばれる場合が多いのは、私も実感しているところです。
このようにあくまで全てを網羅してはいないが、アイディアや方向性をきっちり示すための書類を「提案書」と区別すると頭が整理されます。

依頼提案よりも自主提案
依頼を受けて提案をするのが依頼提案。しかしこれからは、待ちの姿勢で仕事が回ってくるような時代ではないようです。確かに依頼提案の場合、「コンペ」と言われるような制限された機会でしかなく、自主性を発揮することも難しい。私どもでもコンペの案件は基本的にお受けしません。
これからは自主提案の時代。クライアント様の持つ課題を発見し、その解決手段を自主的に提案して行く時代になるそうです。確かにその方が自社の持ち味を活かした提案が出来るし、価格勝負ではなく本当に相手のためを思った提案ができるように思います。

でも、なかなか自主提案を作る余裕を、持てないのも現実。
それでも面倒がらず、私達も、これからドンドン自主提案をしてゆきたいですね。

お勧めの本
「提案書・企画書がスラスラ書ける本」(富田眞司著・かんき出版)

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