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November 23, 2010

双方満足の労使関係は可能か?

知り合いの社労士さんが開催するワールドカフェイベントに行ってきました。

このイベントは、いわゆる「セミナー」ではなく、「ワールドカフェ」という対話手法を用て、いろいろな人の意見を様々な角度から聞くための集まりです。
「ワールドカフェ」は、視点や考え方を柔軟にする効果がある手法です。逆にあまり「意見をまとめる」という効果はないのですが、社労士だけでなく、経営者、労働組合員などいろいろな人が集まっていて、それぞれの角度からの生の意見が聞けて、良い体験になりました。

■なぜ、労使で対立するのか?
今年は、例年のリーガルリスクマネジメント講座で、労使に関する問題に焦点を当てて学んでいます。
そこでいつも違和感を感じるのは、人の営みを法律の論理で片付ける人間味のなさ。そして、紛争・戦いを前提とした労使関係が、さも当たり前のように語られていることです。
実は、この講義を一緒に受けているのが、今回のイベントを主催する社労士さんです。いつも、本当は法律の論理よりも、人間同士の心の問題で解決する方がいいのに・・と感想を言い合っています。

企業というのは、一人ではできない目標に向かって、複数の人が力を合わせることが始まりのはず。同じ会社の旗のもとに集まった人たちが、労使に分かれて対立しあうってこと自体が変ですね。
でも、会社が大きくなって来ると、会社で働くことは、自分の生活を支えること、つまり会社から給料をもらうことが目的になってしまう。そうなると、立場は弱くなる。そして、世の中が資本の論理で動いている限り、その立場の弱さが、社会構造的に固定されていってしまいます。だから、法律は弱い立場の労働者を保護する方向に強化されて行く、このような負のスパイラルに嵌っているようです。

雁字搦めになった労働問題。
本来、本当に困った時に労働者を保護するために与えられている制度・権利を逆手にとって、ぶら下がろうという人も出てきます。制度・権利があまりにも手厚く整えられたために、会社としてはそれを全部主張されると成り立たなくなってしまう。そして、そのような制度・権利があることを、できるだけ従業員に知らせないで隠す。その情報の非公開性が対立の一因になることも多いようです。

■会社を守る「顧問」の存在は、本当に会社を守っているか?
社労士にしても、弁護士にしても「会社を守る」と言う文句を使っている人が多いようです。でも、果たしてそれが本当に会社を守ることになっているのか?ということが話題になりました。
何かあった時のためにセキュリティを強化したり、就業規則を改定したりする。でも、その「何か」が従業員を仮想敵として防衛体制を固めているのようなもので、そのような意図が露骨に見える会社を果たして従業員が信頼するでしょうか?
本当は、従業員こそが、会社を守ってくれる存在であって、相互に信頼できる関係がなければ、そもそも会社を守ることなどできない。このことに関しては、どの立場の人も「考えてみればそうだね」と意見が一致しました。

■雇用関係自体がリスクになっている
ある社長さんは、変化の激しい今の世の中で、従業員を雇用するということは大変なリスクだとおっしゃっていました。本来は働きに応じた対価を支払うことが普通の姿なのに、雇用契約を結んでしまうと、働きに関係なく雁字搦めになってしまう。これでは市場の変化に対応できないというのです。そこで、良いのが「請負契約」、雇用ではなく、仕事を個人に発注する形態を取るのが一番リスクがないとのことです。お互いに緊張感のある関係が、自然にWin-Winの雰囲気を醸し出す。厳しいですが、これが組織の本質的な姿かもしれません。
「雇用がなければ生活が安定しない」と言われますが、世の中自体が安定していなのですから、「雇用」で安定を保証することは、非常にリスキーだ!理屈は、確かに理にかなっています。
「雇用」というものの在り方自体、見なおす必要があるのかもしれないですね。

このように、いろいろ議論をしていると、妙なことに、法律や国が労使の対立関係を煽っているという歪な構造が見えてきます。本来の人と人、組織と個人の関係に立ち返り、お金や資本の論理から抜け出し、次の価値観を見出すことが、今人類の直面している課題なのかもしれませんね。

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